G魂

■最終更新日 2003年9月26


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企業調査・・・機密漏洩者を暴く No2



情報漏洩者の特定は極めて困難な状況に直面していた。

担当調査員全員が頭をかかえた。

しかしそんな状況を打開したのは、私が何気なく目にした

テレビニュースであった。

調査中の案件に関係があったわけではない。

ただの、ありふれた国際ニュースである。

画面には、各国の首脳が通訳を挟んで会談している

映像が流れていた。

「通訳を挟んで・・・。そうか!」

その通りである。 通訳は目立つ事のない存在であるが、

その会話内容を全て把握し、時には内容を操る事も

可能な存在である。外資系企業の性質上、通訳は欠かせない。

我々はすぐさま、プロジェクトに関わるすべての通訳員の

調査を開始する。結果、捜査線上に浮かび上がってきたのは、

一人の美人通訳員であった。

某日、建設プロジェクト会議の終了後、すべての通訳員を

尾行・監視する行動調査を行う。そして尻尾を出したのは、

やはり、その美人通訳員であった。

会議終了後、最寄り駅から電車に乗った彼女は、自宅とは

程遠い駅で下車する。大阪市内にしては閑静なその駅の

近くで、彼女を待っていた高級外車があった。

乗っていたのは、工事現場においても、プロジェクト会議に

おいても、絶対に接触することのない、否、接触しては

いけない人物。 問題の建設会社の幹部男性である。

その後、二人は共に夕食をとり、情事をなすために

ホテル街に入った……。

これらの経緯を依頼者に報告後、更に情報漏洩の裏付け

調査に入ろうとしていたが、依頼者側はここまでの調査結果で

十分とし、我々の調査は終了した。

その後・・・大手である依頼者側企業と同建設会社は、

情報漏洩事件を公にすることは得策ではないと判断し、

幹部同士の穏やかな話し合いが行われ、結果、その美人

通訳女性はプロジェクトの舞台から去っていったと聞く。

ちなみに、その美人通訳員が最後に通訳した言葉は

「不可能な使命(ミッション・インポッシブル)」

だったとか、違うとか……。

数多くの外資系企業が躍進する昨今、

彼女が暗躍していない……とは決して言えない。